幽界物語
「幽界物語」は江戸時代に神界を往来するという嶋田幸安という青年が語る神界の様子を紀州藩士の参澤明が聞書したものです。
はじめは嶋田幸安と参澤明との問答形式ですが、神界での幸安の師仙である清浄利仙君という神仙と書付を以て問答する形式へと変わっていきます。
神界の様子から現界の風習のことまで、その問答は多岐にわたっています。
ここに載せる巻にはありませんが、後に平田篤胤の養子の平田鐵胤も質問するようになります。
底本は国立国会図書館所蔵の「幽冥界研究資料 第一巻」(出版:神道天行居 保護期間終了)の「幸安神界物語」になります。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977093
あとで気付いたのですが、出版年が1925年の方には三巻まで載ってました。(上のは1926年出版)
そのため三巻だけは1925年を底本にしてます。
ただし、私の持ってる写本のものと比べると抜けてるところや、写本に載ってないもの、文章の中に不自然なところがあります。神字も写本と違いますが、ここではそのままとしてます。
最終ページみるとわかりますが、写しの写しを何度も行われたモノらしいので、写している内に元と合わなくなっていったのかもしれません。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977095
タイトルに「幽界物語」としたのは一般的に手に入るものはそのタイトルが多いのでそれにならいました。
句読点や旧字体などは編集してあります。図など文字として表現できないものは■と記してあります。
明らかな間違いと思われるところは私の方で判断して修正してます。
この本は三巻までとなっていますが、宮負定雄の「奇談雑史」には「神界物語と号て、凡二十巻あり。(略)訂本十巻」とあります。
二十巻の所在はわかりませんが、十巻であれば入手は可能です。
ただし所有権等の問題で権利上公開できません。
出版物としては八幡書店の「異境備忘録 幽界物語」には活字化したものが五巻まで載っています。ただし候文のため、古文書を読み慣れてないと大変かもしれませんが、繰り返し読みなおせば意外と読めるようになります。
また山雅房の「続・幽真界研究」では五巻までを口語訳しています。
八幡書店 「異境備忘録 幽界物語」
http://www.hachiman.com/books/89350-174-7.html
山雅房 「続・幽真界研究」
http://homepage1.nifty.com/sengabou/book_14.html
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