仙境異聞

 「仙境異聞」は江戸時代に天狗のもとで修行した寅吉という少年が語る異界の様子を平田篤胤が記したものです。
 当時は異人や天狗に伴われて異界を往来した者はその様子を詳細に語ることを避けていたようですが、寅吉はめずらしく事細かく語るのため、当時の江戸ではちょっとした話題となり、平田篤胤や門人たちも興味をもち色々と問答しています。
 寅吉の語る異界は天狗界と思われ、天狗界のことから俗っぽいことまで様々な問答は他の書籍にもみられないほど詳細かつ膨大です。
 神童憑談略記は寅吉の師の杉山僧正が寅吉に神懸かりしたときの顛末記です。
 七生舞の記は異界で舞われる七生の舞に関わる詳細な記載です。この舞は神祇の感応を得られ、妖魔を祓うようです。

 底本は国立国会図書館所蔵の以下になります。
 なお神童憑談略記と七生の舞は「仙童寅吉物語 3巻. [3]」ではなく解読しやすい「神童憑談略記」を底本にしました。

 仙境異聞.1巻
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565300
 仙境異聞.2巻
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565301
 仙境異聞.3巻
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565302
 仙童寅吉物語 3巻. [1]
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565275
 仙童寅吉物語 3巻. [2]
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565276
 仙童寅吉物語 3巻. [3]
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565277
 神童憑談略記
 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2539313

 句読点や旧字体、「」などは編集してあります。
 一文が長いので適当に改行入れていますが、返って読みづらかったらすみません。
 一部図は国立国会図書館デジタル化資料より許可を受けて転載しています。
 文中「図の如く」とあって図がないものは原文にもありません。

 出版物としては岩波文庫の「仙境異聞 勝五郎再生記聞」があり、こちらも文語体となっています。ただ七生の舞の件と神童憑談略記は収録されていません。現在は品切れのようですが岩波文庫は絶版はないので、またいずれ重版されると思います。
 文語体が苦手な方は現代文に訳した八幡書店の「完訳 仙境異聞」がありますが、値段は高めです。

 岩波文庫 「仙境異聞 勝五郎再生記聞」
 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/2/3304630.html
 八幡書店 「完訳 仙境異聞語」
 http://www.hachiman.com/books/89350-187-9.html


仙境異聞第一巻一括表示分割表示
仙境異聞第二巻一括表示分割表示
仙境異聞第三巻一括表示分割表示
仙童寅吉物語一之巻一括表示分割表示
仙童寅吉物語二之巻一括表示分割表示
神童談憑略記一括表示分割表示
七生舞の記一括表示分割表示

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